「江戸風鈴(えどふうりん)」煉切製:菊家
水色と白にぼかし染めた煉切で白こし餡を包みまるめ、側面を洞穴のように凹ませ、緑の羊羹製の楓をのせます。さらにピンク、白、紫色に染め分けた短冊状の煉切を少しねじるように添え、江戸風鈴を写したお菓子です。
後ろ姿はこんな感じです。
まるい背中に乗った清々しい青楓がさらに涼感を増してくれますね。
お待ちかねの断面はこんな構造になっています。
中の餡は金柑の砂糖煮を白餡に混ぜて作ったスペシャル餡になっているのがサプライズですね。
江戸風鈴とは、江戸時代から伝わる製法で作られたガラス風鈴のことです。
均一に仕上げられた風鈴は音が単調ですが、江戸風鈴の音色は多彩でいろいろな表情があるのが特徴です。
その秘密は、ガラスの縁にわざと刻みを入れてギザギザにすることで、あの独特のやわらかい音色が生まれるのだそうです。
また、すべて手作りで作られるため、ガラスの大きさや厚さも微妙に異なり、ひとつとして同じ音のものはありません。
これは上生菓子にも通じるものがありますね。
日本の夏に欠かせない涼やかな音をイメージしながら食べたいお菓子です。