「夏木立(なつこだち)」小倉・求肥製:田園調布あけぼの
求肥を芯にして取り囲むように小倉餡を付け、煉切製の幹や羊羹製の葉を配し、緑のそぼろを添えたお菓子です。
夏木立とは、夏に青々と葉を茂らせた木立のことをいい、夏の季語になっています。
生い茂る葉っぱが夏の強い日射しを遮り、われわれがほっと息をつける木蔭を提供してくれます。
夏木立は複数の木をさし、一本の木のときは「夏木(なつき)」といいます。
緑と白の二色の羊羹を貼り合わせ、陽光に煌めく葉を表し、二本の棒状の煉切で林立する幹の群を表現しています。
また、色濃い小倉餡は影、白く輝く求肥は木漏れ日、繊細なそぼろは樹々を抜ける涼風を写しているように見えます。
夏木立の生命力、その影の力強さ、木漏れ日の清々しさを感じる素敵な逸品ですね。