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風のやどり(とらや)

「風のやどり・緑(かぜのやどり・みどり)」抹茶水羊羹製:とらや 

抹茶水羊羹を扇の形に固めたお菓子で、大正7年(1918)に初めて創作されました。 

 

 

扇は、あおいで風を起こすだけでなく、儀式や祭事、舞踏の道具としても使われます。 

 

また、末広がりの形は、発展や繁栄の吉祥でもあることから、縁起の良いものとして、新年や婚姻などの祝賀の贈り物にも使われます。 

 

さらに、扇には四季の草花や古典文学の一場面が描かれているものも多く、感性が和菓子の世界と共通しているため、上生菓子の意匠としてもよく用いられますね。 

 

季語としては「 扇(おうぎ)」「扇子(せんす)」「絵扇(えおうぎ)」など、いずれも夏の季語になっています。

 

今回のお菓子は、夏の暑さから逃れるために、あおいで風をおこし、涼をとる扇を、風の宿るところと見立てた奥ゆかしい菓銘になっています。 

 

清々しい抹茶の香りがふんだんに楽しめる涼菓です。