「竹露(ちくろ)」水羊羹製:ちもと
直径約3センチの青竹を長さ13センチほどに切り、中へ水羊羹を流し込み、笹の葉で体裁よく蓋をしたものです。裏千家十一世玄々斎が好まれたお菓子です。
口をおおう笹の葉は、丹波や信州産のものがよく使われますが、色鮮やかな緑が目に沁みますね。
一本の竹から3〜4本しかとれない、太さのそろった竹筒を容器に使った野趣あふれるお菓子です。
食べる前に、付属の画鋲(がびょう)で竹筒の底の中心に穴を開けて、少し傾けて底を2、3回叩くと中の水羊羹がつるりんと出て来ます。
この作業がまた、ワクワクしていいですよね!無事に中身が出てくるまで期待感に胸がふくらみます。
小豆の風味豊かなあっさりした甘さに、心地よい口溶けと喉越しのさっぱりとした夏にぴったりのお菓子ですね。
冷たく冷やしていただくと、暑い時期のなによりの愉しみになります。爽やかな緑の竹の表面に結んだ露がさらなる涼感を誘います。