「涼風(りょうふう)」雪平製:花見
白い雪平生地の一部分を水色にぼかし染め、餡を包みまるめます。さらに、石に見立てた焼き目をつけ、羊羹製の金魚、寒天の泡を添え、最後に黒文字を挿して団扇(うちわ)を写しています。
夏といえば、
青い海、入道雲、海水浴、プール、金魚、祭り、盆踊り、花火、浴衣、肝試し、風鈴、スイカ、かき氷、アイスクリーム、扇風機、麦わら帽子、日傘、日焼け止め、半袖、蚊取り線香、お中元、セミ、熱中症、打ち水、、、
など、いかにも夏らしいキーワードが次々に浮かんできますが、団扇もそのひとつでしょう。
涼風(りょうふう/すずかぜ)を主題にした上生菓子は、そのまま涼しい風という意味から、団扇(うちわ)をかたどったものが多いですね。
また、俳句の世界で涼風といえば、夏の終わり頃に吹く涼しい風のことで、晩夏の季語になっています。
晩夏になると夏型の気圧配置がくずれて、暑い風とは異なった風が吹き、朝晩にふと、かすかな秋の気配を感じることがあります。