「くず焼き(くずやき)」葛製:両口屋是清
葛を水でとき、砂糖を加えてよくまぜて溶かし、緑餡(白餡を緑に染めたもの)を加え色付けします。さらに火にかけて葛をよく練り上げたあと、せいろに流しこみ強い蒸気で蒸し上げます。
蒸し上がった葛羊羹を一晩おいたあと、均等に四角に切り分け、一つ一つに片栗粉をまぶし、匂いのない上質の油を塗った鉄板の上で、六面を表面が乾く程度にさっと焼いて完成です。
葛菓子の中でも葛焼きは、わびた感じの風雅なお菓子で夏の茶席によく用いられます。表面を焼くことによって、葛菓子特有の水けを抑えているのが特徴です。
「くず焼き(くずやき)」葛製:両口屋是清(2014年)
両口屋さんの昨年の葛焼きは無色で、色はついていません。
葛と水、砂糖の配合がむずかしく、かたすぎてもやわらかすぎてもよくなく、また、焼き過ぎも禁物です。
外側はうっすらとわずかに焦げ目がつき、中はやわらかく、あっさりした甘さに気品が感じられるお菓子です。
葛の葉