「若葉蔭(わかばかげ)」琥珀製(錦玉製):とらや
透明な琥珀羹の中に、羊羹製の水草や青楓、金魚を配し、水面に浮かぶ青葉の蔭を金魚が泳ぐさまを表わしています。大正7年(1918)に初めて創作されたお菓子です。
ガラス鉢や池に泳ぐ金魚は、彩りも美しく涼を呼ぶことから、夏の季語となっています。
金魚の模様には実にいろいろな種類があって、目を楽しませてくれますね。
このお菓子で描かれている金魚は、赤と白のまだら模様の更紗(さらさ)という種類です。とても華やかで美しく、赤と白がバランスよく入っているものが良いとされ、観賞価値も高いとされています。
赤の面積が多い個体を赤勝ち更紗、白が多い個体が白勝ち更紗と呼びます。赤勝ち、白勝ちって、なんだか紅白歌合戦のようですね。
おめでたい紅白を重んじる日本人に一番マッチした体色ではないでしょうか。
涼風に吹かれ、水面に舞い降りてきた青楓の葉蔭で、 紅白の衣裳を纏って優雅に泳ぐ金魚の姿は、涼感を誘う夏の風物詩ですね。