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玉川(ささま)

「玉川(たまがわ)」錦玉製:ささま

いろいろな色に染めたり、黒胡麻や青のりなどを混ぜて模様をつけた煉切を、一個一個手で丸めて小石の形に作ったものを、錦玉の中に封じ込めて、澄みわたった清流の底で、夏の日差しを受けて輝く無数の小石を写しています。 

 

せせらぎの音が聞こえてきそうなお菓子ですね。 

 

子供の頃、よく海や河原に行っては、いろいろな色の小石を拾い集めて宝物にしていました。 

 

白、灰色、茶色、赤、緑、黒など色もさまざま。 

無地のものから、縞模様、斑(まだら)模様、モザイク模様など、柄もいろいろ。 

共通しているのは、角のないツルツルの丸い形。 

 

もともとは、川のはるか上流にあった大きな岩が、崩れ、割れて、砕かれ、川の中を流され、岩肌にぶつかったり、滝の上から落下したり、川底で揉まれたり、いろいろなところで削られたり、擦られたりしながら、下流に向かうにつれて徐々に磨かれ丸くなる小石。 

 

もし、川が人生だとすると、川底の石ころは人そのものでしょう。 

 

仕事や恋愛など人生におけるあらゆる場面で激流に流され、岩や石にぶつかり、泥にまみれ、摩擦を受け、時には傷を負いながらも、右へ左へと大きく蛇行しつつ、長い長い道のりを辿る間に、いつのまにか磨き抜かれて、一人一人異なった色、模様の見事な玉石として輝く存在になっているのです。