「滝津瀬(たきつせ)」道明寺羹製:三鈴
水色に染めた錦玉液の中に道明寺をまぜ、ドーム形に流し、小豆こし餡を小さく丸めて入れています。
今回はシンプルなドーム形ですが、他にひょうたん形や楓形に固めたものもよく見かけます。
このように、錦玉の中に粒状のものをまぜたお菓子の総称を「みぞれ羮」といい、一般的には道明寺を使ったものをさします。
生地から透けて見える道明寺粉の粒々が、雪と雨が混じって降るみぞれを連想させ、涼しげなスノードームのようにも見えますね。
道明寺を入れることによって錦玉の表情に変化をつけ、涼味を増しますが、その量や入れ方が勘どころとなります。
滝津瀬とは、滝つ瀬とも滝の瀬とも表わされ、滝のような急流や滝のことを意味します。このお菓子では、道明寺粉の白い粒々を、豪快に流れ落ちる滝の水しぶきに見立てています。