「 流水清 (りゅうすいきよし)」羊羹製:引網香月堂(ひきあみこうげつどう)
煉り羊羹の表面に「刷り込み」と呼ばれる伝統技法を用いて、銀箔入りの色素で流水文様を描いたお菓子です。
「刷り込み」技法とは、耐水性のある紙に細工用ナイフで図案を切り抜き、その紙を羊羹の上に押し当て、紙の上から色素をこすり付けるように引くと、図案が羊羹に写しとられるという仕組みです。
上下を逆にして盛り付けると、流れの風情が変わり、これまた楽しいですね。
菓銘の「流水清」は、禅語の「白雲流水清(はくうんりゅうすいきよし)」に由来しています。白雲も流水もともに無心であり、一切の事跡を残さない清々しさがあるという意味だそうです。
このお菓子は、シナモンとカルダモンというスパイスが使われていて、見た目からは想像できない、食べてビックリのサプライズがあります。
カルダモンは、日本ではあまり馴染みがないですが、その高貴な香りから「スパイスの女王」とも呼ばれ、サフランについで高価なスパイスのひとつです。
カルダモンには、体を冷やし、消化を助ける作用があるため、灼熱のアラブ諸国では日常生活に欠かせないスパイスとなっているそうです。
その香りは、ほんのり甘く、清涼感があり、意外にも羊羹とよく合っていました。