初夏から真夏にかけて、清流に一番似合う樹は楓でしょう。
楓といえば、秋の紅葉が真っ先に浮かびますが、若楓とか青楓と呼ばれる萌え出たばかりの清々しい若葉の楓も捨てがたいものがあります。
また、夏の日差しをいっぱいに浴びて、さらに色濃くなった楓葉の青々とした美しさも、水辺の清透な風景に欠かせないものですね。
楓の葉の隙間から漏れこぼれる陽射しによって、清流は碧色に輝き、透き通った水を通して川底の岩にキラキラした鱗模様を描きます。
こんな、夏の清流と楓を写したお菓子を集めてみました。
「清流(せいりゅう)」錦玉製:豊島屋
透明な錦玉を透かして、中の青楓が見えるのが風流ですね。
「清流(せいりゅう)」求肥製:彩雲堂
ゆったりとした水の流れを刻み、ひとひらの楓葉を散らしたシンプルな表現です。
「清流(せいりゅう)」小倉製:千草庵
下に溢れ流れるように豪快にかけて全体をコーティングした寒天の瑞々しさが夏の清流を見事に表しています。
「清流(せいりゅう)」小倉製:大倉山青柳
細長く麺状にした煉切を、岩に見立てた小倉餡の間に配し、川の流れを写します。さらに、楓を添え、オブラートの粉末を散らして、きらきら輝く夏の清流を表現しています。
「清涼 (せいりょう)」求肥製:彩雲堂
小豆で岩を、短冊状の錦玉で清流の流れを表し、羊羹製の青楓を散らしています。