「蛍恋(ほたるこい)」焼皮製:鶴屋吉信
紫色に染めた焼き皮をキャンバスに見立て、黄色い丸いぼかしで蛍の光を、手描きの白い線で草叢(くさむら)を写しています。
夏の宵、幻想的な光を放ちながら舞う蛍は日本の夏の風物詩として古くから親しまれています。
ほう、ほう、ほたる来い
あっちの水はにがいぞ
こっちの水は甘いぞ
ほう、ほう、ほたる来い
江戸時代から歌い継がれている、わらべ歌ですが、蛍といえば、この歌もはずせませんね。
鶴屋吉信さんの「蛍恋(ほたるこい)」という菓銘は、この歌の「ほたる来い」にかけているようです。
成虫の蛍は口が退化して水しか飲めなくなってしまい、わずか1週間で命が尽きてしまいます。だから、少しでもあまい水を飲んで、最後まで美しく輝いていてもらいたいものですね。