「蛇の目(じゃのめ)」煉切製:一炉庵
薄紅色と白、黄色に染め分けた煉切で小豆こし餡を包み、蛇の目傘をかたどった木型で押し抜き、錦玉製の雨粒を添えたお菓子です。
蛇の目とは、同心円を基調にした模様で、ヘビの目から名づけられました。開くと、この蛇の目の文様の表れる和傘のことを蛇の目傘といいます。
雨の日は、傘をさすのが面倒だったり、濡れるのがいやで、億劫に感じてしまいますが、子供の頃は、逆にワクワク興奮したものです。
長靴を履くこと自体が楽しみでしたし、自分のお気に入りの傘をさしたり、舗装されていない道のあちこちにできた水たまりで遊んだり、普段見かけないカタツムリと対面したりと、雨は雨なりの魅力がありましたよね。
和菓子で表現する傘は、やはり洋傘よりも和傘の蛇の目が合いますね。木や紙など、自然の素材を使って作られているだけあって、日本の梅雨の風景に趣を添えてくれます。