「梅雨空（つゆぞら）」羊羹製：彩雲堂
緑色、灰色、薄紫色にぼかし染めた羊羹に金箔を散らしたお菓子です。
引き込まれるような緑色が印象的なお菓子ですが、この部分を上にするか下にするかによってイメージがだいぶ異なりますね。
緑が下の場合は、緑の山や草原、田畑などの上に架かる厚い雨雲のように見えます。金箔は虹の輝きでしょうか？
ほのかに紫色に見えるのは霧雨に霞んで見える紫陽花の花影のようにも見えます。
緑が上の場合は、深緑色の暗雲が低く垂れこめ、視界が煙るほど激しく雨が降っているイメージですね。金箔は稲光でしょうか？
しとしと、ジメジメ、長雨は、鬱陶しいものですが、和菓子で表現すると、嫌がられる梅雨もたちまち美しい芸術に生まれ変わるのが小気味よいですね。
