きょうは、横浜周辺で今、一番乗りに乗っている和菓子屋さんに行ってきました。
横浜市港北区大倉山にある昭和26年創業の老舗「大倉山青柳」さんです 。
東急東横線の大倉山駅から徒歩30秒という、好アクセスの地にありますが、今日は梅雨の合間の貴重な快晴。
和菓子の購入だけではもったいないので、まずは近くの大倉山公園を散策することにしました。
この公園は梅林が有名ですが、今は季節外れなので、同じ園内にある素敵な洋館「大倉山記念館」を見学しました。
ギリシャ神殿風の柱が、美しい直線を描いていますね。
均整のとれた左右対称の重厚な建物は抜群の安定感があって、眺めているだけで心が落ち着きます。
実業家で後に東洋大学学長を務めた大倉邦彦氏により昭和7年に創建された建物です。
当初は「大倉精神文化研究所」でしたが、その後、横浜市に寄贈され、今では文化施設として、地域に密着した催し物が多数行われています。
以前に友人のフルート奏者のコンサートで何度か訪れたことがあります。
さてさて、お目当ての和菓子が売り切れになるといけないので、そろそろお店に向かうことにしましょうね。
ここの上生菓子はとにかく品揃えが多いのが特徴です。常時10種類以上あり、いつも購入時に迷ってしまいます。
意匠が斬新で完成度も高く、同じテーマのお菓子でも毎年必ず改良が加えられ、グレードアップして出てくるのも魅力ですね。
お客さんもひっきりなしで、いつ行っても常時2〜3人はお客さんが待っているという人気店です。
そんな大倉山青柳さんの6月の上生菓子の中から厳選した6趣をお届けします。
「葉桜(はざくら)」煉切製
緑色と白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技にて葉桜をかたどったお菓子です。
重なり合う二枚の葉っぱの意匠がユニークです。桜花を描いたお菓子は無数にありますが、葉桜にスポットを当てたのはグッドアイデアですね。
「紫陽花(あじさい)」きんとん製
うす紫色と白にぼかし染めたそぼろを小豆つぶ餡のまわりに植え付け、煉切製の四弁花を添え、紫陽花を写したお菓子です。
普通の紫陽花「ホンアジサイ」にも、また、額紫陽花にもどちらにも見える柔軟な意匠が面白いですね。
「びわ」外郎製
橙色に染めた外郎生地で白こし餡を包み、びわの実をかたどったお菓子です。
実のおしりの部分に大納言小豆の蜜漬けをひと粒埋め込み、その上の生地に十字型の切れ込みを加えてかたどったヘソの造形が見事ですね。
「濡れつばめ(ぬれつばめ)」求肥製
白と水色にぼかし染めた求肥生地で白こし餡を包みまるめ、焼印を押し、煉切製のツバメを配したお菓子です。
焼印の形は、屋根や軒、あるいは田んぼのあぜ道、草木など、いろいろなものに見えてきます。
梅雨の頃、餌をくわえて雨の中を低空で飛翔するつばめの姿を爽やかに写しています。 雨にもかかわらず、ひな鳥たちのためにせっせと餌を運ぶ親つばめの愛情が伝わってくる逸品ですね。
「朝つゆ(あさつゆ)」煉切製
緑色と白にぼかし染めた煉切で葉をかたどり二つ折りにして、小倉鹿の子を包みます。その上に寒天製の露をのせ、氷餅を散らしたお菓子です。
今にも零れ落ちそうな水滴、葉っぱの輝くような発色、リアルな葉脈、氷餅による煌めきなど隅々にまで神経の行き届いた力作ですね。
「遊び鮎(あそびあゆ)」鹿の子製
水色に染め薄くシート状に仕上げた葛生地で、虎豆の鹿の子を巻くように包み、煉切製の鮎を添えたお菓子です。
虎豆が川床の岩、葛は水の流れ。その流れを遡るように若鮎が俊敏に泳ぐ姿が目に浮かびますね。