「嘉祥菓子(かじょうがし)7ヶ盛」:とらや
江戸時代末期に、宮中にお納めした嘉祥菓子をもとに、とらやさんが再現した7種類のお菓子です。
12時の位置から、時計回りに「武蔵野」「源氏籬」「桔梗餅」「伊賀餅」「味噌松風」「浅路飴」、そして中央が「豊岡の里」です。
菓子箱には、厄除招福のお札が添えられています。
ではでは、ひとつひとつ詳しく見てみましょう。
「武蔵野(むさしの)」村雨製
そぼろ状の小豆餡で蒸羊羹をはさんだ棹物菓子で、武蔵野の秋景色を表しています。
「源氏籬(げんじませ)」村雨製
黄色に染めた練り羊羹を、二色のそぼろ餡で斜めにはさみ、源平の幡をかたどったお菓子です。
「桔梗餅(ききょうもち)」外郎製
茶色に染めた外郎生地で小豆こし餡を包み、桔梗型の木型で押し抜いたお菓子です。
「伊賀餅(いがもち)」
米粉の団子生地で白小豆こし餡を包み、饅頭型に作り、上部へ黄色く染めた糯米を散らし蒸し上げたお菓子です。
「味噌松風(みそまつかぜ)」
薄く長方形に切った味噌松風で、表面に黒胡麻をまぶし、鉄板で”唐板(からいた)”風に焼いたお菓子です。
味噌松風とは、小麦粉と砂糖の生地の表面に西京味噌を塗って焼き上げたお菓子。唐板とは、短冊形の手焼き煎餅のこと。
「浅路飴(あさじあめ)」求肥製
拍子木形に切った求肥のまわり全体に、白胡麻をまぶしたお菓子です。
「豊岡の里(とよおかのさと)」落雁製
薄紅色に染め、方形に作った落雁で、中に小豆こし餡が入ったお菓子です。
この7種類の中では、香ばしい胡麻の風味とモッチモチの求肥の食感を楽しめる「浅路飴」が一番好きですね。
このセット菓子には白い素焼きのお皿も付いていて、殺菌・防腐効果のある桧(ひのき)の葉が敷かれていました。
今日は是非とも、美味しい和菓子をたべて、無病息災をお祈りしましょう