「尾瀬(おぜ)」きんとん製:花見
緑色に染めたそぼろを餡のまわりに植え付け、煉切で作ったミズバショウや、遊歩道(木道)を添えます。さらに、雪解け水に見立てた錦玉や残雪に見立てた淡雪(あわゆき)を散らしています。
雪どけの水面にその可憐な姿を映し出す早咲きのミズバショウが咲いています。その周りには、まだ溶けきらな雪がちらほらと残り、静寂に包まれた尾瀬の光景を表しています。
有名な歌、「夏の思い出」(作詞:江間章子、作曲:中田喜直)で歌われているように、「尾瀬」といえば、「ミズバショウ」ですね。
ミズバショウは湿地に自生し、発芽直後の葉の間から純白の仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞を開きます。これが花に見えますが、実際は花ではなく葉っぱの変形したものです。
仏炎苞の中央にある円柱状の部分にたくさん黄色い粒のように付いているのが花です。葉は花の後に出ます。
開花時期は低地では4月から5月、高地では融雪後の5月から7月にかけてです。実際に尾瀬沼でミズバショウが咲くのは5月末ごろで、これは尾瀬の季節でいうと春先にあたります。