「初むらさき(はつむらさき)」焼皮製:鶴屋吉信
紫色に染めた焼皮で粒餡を包み、六枚の花弁状に折りたたみ、中央には、花芯に見立てた黄緑色のそぼろを添えています。
「初むらさき」という、なんとも風情のある菓銘です。“今年初めて見る紫色の花”という意味だと思いますが、この時期、紫の花はいろいろ思いつきますね。
まず、すみれ、それから花菖蒲、あやめ、カキツバタに藤など、紫を象徴するような花がたくさんあります。
でも、すみれの花弁は五枚だし、花菖蒲、あやめ、カキツバタなどのアヤメ科の花にしても、藤の花にしても、花の形が特徴的で、このお菓子の形とは全然違いますね。
これ以上思いつかないので、店員さんに聞いてみたところ、「テッセン」の花を写しているとのことです。
そう言われてみると、確かに、紫色だし、花の形のイメージが浮かんできますね。