「若鮎(わかあゆ)」煉切製:秋色庵大坂家
白煉切で小豆こし餡を包み、木型で押し抜いて若鮎を写したお菓子です。
渓流や川瀬の激流にもまれながらも、力強く泳ぎのぼる若鮎と、それを川岸から優しく見守る撫子が見事な構図で描かれています。
眩しいほど白い煉切は、若々しい鮎の象徴でもあり、夏の光に煌めく川面の風情をも表しているようです。
鮎の輪郭に添って肉桂粉でなぞる丁寧な仕事が、主役をさらに輝かせます。
撫子はピンクと白の二色で、この花を加えることで、お菓子に物語性が生まれますね。
年魚(ねんぎょ)とも香魚(こうぎょ)ともいわれる鮎ですが、その優美な姿や癖のない味わいから川魚の女王とも呼ばれています。
釣りを楽しむ人、味を楽しむ人それぞれに胸躍るシーズン、思い切り享受したいですね。