「桃山鮎(ももやまあゆ)」桃山製:長嶋屋
桃山生地で若鮎の形をかたどったお菓子で、中に求肥が入っているのがポイントです。桃山とは、白餡に砂糖、みじん粉、卵黄を加えて焼いたものです。
長嶋屋さんは、逗子にある、明治25年創業の老舗で、明治、大正、昭和に渡り、葉山御用邸の御用達認定を受けてきた名店です。
鮎の和菓子といえば、一般にはカステラ生地で求肥を包み焼印で鮎の姿を写したものが圧倒的に多いのですが、そんな中で、桃山製の鮎は新鮮です。
きれいにこんがりと付けられた焼き色がほんとうに美味しそうですね。生地は、ホロホロと簡単にくずれますが、パサつき過ぎず、しっとり感も十分あるのが特徴です。
この独特のうるおい感は、中の求肥によるものでしょう。その求肥の量も絶妙で、まるで鮎の背骨のように細く長く埋め込まれています。