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「長嶋屋」さん

 

私は葉山が好きでよく行くのですが、その玄関口となるのが逗子(ずし)です。 

 

逗子市は、神奈川県にある三浦半島の付け根に位置する市で、北西に鎌倉市、南に葉山町、東に横須賀市、北東に横浜市と接しています。

 

鉄道でのアクセスは、JR横須賀線と京浜急行逗子線の2ルートあり、通勤に便利なので、東京や横浜のベッドタウンとなっています。 

 

 

私が把握しているところで、逗子市にある和菓子屋さんで上生菓子を扱っているのは「長嶋屋」さん、「三盛楼」さん、「三吉野」さんの3軒です。 

 

最近新しく「こよみ」さんというお店ができたようで、まだ未訪問ですが、ネット情報からすると上生菓子がありそうな様子なので、次回ぜひ偵察に行きたいですね。 

 

今日ご紹介するのはその中で、もっとも歴史が古く、明治25年創業の「長嶋屋(ながしまや)」さんです。JR逗子駅前から続く逗子銀座商店街の中にあります。

 

 

長嶋屋さんは明治、大正、昭和に渡り、葉山御用邸の御用達認定を受けてきた名店です。 

 

ここのご主人はよほど猫好きなのか、猫関連のお菓子が多いのが特徴ですね。

 

「福猫最中(ふくねこもなか)」 

 

「肉球最中(にくきゅうもなか)」 

どちらの最中も、中は艶やかな小豆こし餡です。 

 

「肉球饅頭(にくきゅうまんじゅう)」薯蕷製 

小豆こし餡入りの薯蕷饅頭に大小のピンク色の盛り上がりを5カ所付け、猫の肉球を写したお菓子です。

 

肉球をお饅頭にしてしまうなんて、とても思いつかない発想です。 ピンクの肉球がぷっくり盛り上がっていて可愛いらしいですね。 

 

薯蕷生地の感触がまさに肉球のぷにゅぷにゅ感そのもので、見たり、食べたりするだけでなく、触っても楽しめるユニークなお菓子です。

 

ネットで調べてみると、今、肉球がブームのようで、肉球パンに肉球マシュマロ、肉球クッキー、肉球大福、肉球かまぼこなどなど、出るわ出るわのオンパレードでしたね! 

 

 

さてさて、本題の上生菓子ですが、こちらは5種類ありました。すでに桃の節句は終了していますが雛祭りにちなんだものがまだ売られていましたね。(訪問したのは3月9日です) 

 

今回は「菜の花」を除く4種類を購入しました。 

 

「桃李(とうり)」煉切製 

紅色に染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技にて桃の実をかたどったお菓子です。 

 

全体的に薄く砂糖をまぶし、ビロードのような桃の果皮の質感を表現しているところがポイントですね。 

 

 

「橘(たちばな)」煉切製 

朱色に染めた煉切で小豆こし餡を包みまるめ、その周囲4か所に緑の煉切製の葉を角状に配したお菓子です。

 

上に向かってニョキニョキ伸びる4枚の葉っぱが、女の子の節句にふさわしい可愛らしい表情でいいですね。

 

 

「手まり(てまり)」煉切製 

カラフルに染めた煉切で小豆こし餡を包みまるめ、その周囲にへらで筋をつけ、手まりをかたどったお菓子です。 

 

縁起の飾りものとして、また、嫁ぐ娘のために、幸せのシンボルや魔除けとして贈られる手まりを華やかに写した逸品です。

 

 

「早わらび(さわらび)」薯蕷製 

小豆こし餡入りの薯蕷饅頭に焼印でわらびの形を押し、緑色の織部釉を付けた定番の意匠です。 

 

 

猫のお菓子のインパクトと比べると、上生菓子はどれも、オーソドックスな意匠で、この店ならではのオリジナリティーの要素は少ないですが、素材にこだわった自家製こし餡がとてもまろやかで美味しかったですね。 

 

 

逗子には和菓子だけでなく、洋菓子の名店「サンルイ島」さんや、昔ながらのケーキ屋さん「珠屋」さん、プリン専門店の「マーロウ」さんなど、スイーツ全般が充実していて、甘党にとってまさに天国です(^◇^)