健康のために、一日平均10,000歩は歩くように心がけていますが、仕事の日には7〜8,000歩くらいが限度で、足りない分は休日に多めに歩くようにしています。
今日はお天気もまずまずで、日中は比較的暖かそうなので、久しぶりに鎌倉へウォーキングを兼ねて上生菓子の買い付け行くことにしました。
いつものことながら、主目的は上生菓子なので、まずは、どこの和菓子屋さんに行くかを決めて、それから散歩コースを設定します。
いわゆるお団子屋さんや煎餅屋さん、甘味処なども含めると、鎌倉市には和菓子を扱うお店が実に90軒以上もあるようです。
その中で上生菓子を販売しているお店は、私の知り得る範囲で13軒あります。(これ以外にご存知の方がいらしたら、教えてくださいネ!)
五十音順に挙げてみると、こんな顔ぶれになります。
「大くに」
「亀屋万年堂」大船店
「こまき」
「手毬」
「豊島屋」梶原店
「豊島屋」北鎌倉駅前店
「豊島屋」本店
「花見煎餅吾妻屋」
「三日月堂花仙」
「美鈴」
「三鈴」大船ルミネ店
「桃太郎」
「龍月」
この中から、去年の秋以来しばらくご無沙汰の「桃太郎」さんに行くことに決めました。
お店は由比ヶ浜大通り沿いにあるので、ウォーキングはその近辺、由比ヶ浜、長谷寺、高徳院、鎌倉文学館をぐるりと周遊するコースになります。
(赤いマーカーの箇所が桃太郎さん)
最寄りの駅は江ノ島電鉄の和田塚駅です。JR横須賀線で鎌倉まで行き、そこで江ノ電に乗り換えます。
和田塚まではほんの一駅なので、歩いても行ける距離で、電車の乗り継ぎ時間を考えると、むしろ歩いて行った方が早い場合もありますし、歩数も稼げるのですが、江ノ電が大好きな私は、その雰囲気を楽しむために往路は必ず江ノ電に乗ることにしています。
あっという間に和田塚駅に到着。単式ホーム1面1線だけの無人駅です。
ここから私の足なら約1分でお目当ての「桃太郎」さんに到着します。
ウォーキングをするなら、先に歩いて、最後に和菓子を買って帰るのが順当ですが、和菓子屋に行く時の鉄則は
「午前中の早い時間帯に行くべし!」
人気のお菓子はお昼までには売り切れてしまう可能性があり、今まで何度も悔しい思いをしたことがあるので、この原則だけは何があっても守るようにしています。
先にお目当てのお菓子を確保しますが、提げて歩くのは邪魔になるし、お菓子も傷んでしまうので、後はお店で預かってもらうことにします。
そんなことを考えているうちに、お店に到着。
瓦屋根に、古めかしい木の看板、木枠のガラス戸に濃紺に染め抜かれた暖簾、昔ながらの和菓子屋さんという雰囲気がいいですよね。
ガラガラと引き戸を開けて一歩入ると、いきなり目の前がショーケースというくらい狭い店内です。お客さんのスペースはたたみ一畳分ほど。
ケースにずらりと並んだお菓子がドーンと目に飛び込んできて、圧倒されますね。どれを選ぶか迷ってしまいます。
ここの一番人気のお菓子はネット上でも評判のいちご大福です。
「いちご大福(いちごだいふく)」
いちご大福といえば、普通小豆の餡の中にいちごが埋もれているイメージですが、こちらの餡は白こし餡なのが特徴です。
ですから、断面がとても美しい。まるでいちごさんが白無垢をかぶっているよう!
主役はあくまでもいちごだよ!と断面が物語っていますね。
いちごは「とちおとめ」を使っているそうで、そのほとばしる甘酸っぱい果汁を、控えめな白餡が陰でそっと支え、薄く柔らかい生地が全体をまとめるように包み込むという味の構成が実に見事でした。
さてさて、いよいよ本題の上生菓子ですが、5種類ありました。
「つばき」雪平製
白い雪平生地で白こし餡を包み、腰高に花びらをかたどり、黄色い煉切製の筒状の花芯を置き、緑の羊羹製の葉を添えたお菓子です。
燃えるような紅色や、華やかな絞り咲きの椿も良いですが、爽やかな白い椿も心が清められるようで美しいですね。
「桜(さくら)」煉切製
ピンクと白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技で桜花をかたどり、羊羹製の葉を添えたお菓子です。
桜の開花までまだもう少しかかりそうですが、ショーケースの中の桜はすでに満開でしたね。
「水仙(すいせん)」小倉・求肥製
角切りの求肥を小倉餡で包み、栗餡をのせ、煉切製の水仙花と、羊羹製の葉を添えたお菓子です。
じっくり炊きあげられた自家製小倉餡にコクのある栗餡、さらに弾力のある求肥が合わさった贅沢な逸品です。
「すずらん」煉切製
白と緑色にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、美しい円弧を描くすずらんの花と葉を写したお菓子です。
すずらんといえば、清潔感あふれる白が定番のイメージですが、あえて黄色で表現しているのが面白いですね。
白以外にも、桃色や紅色の花もあるようですが、黄色いすずらんというのは聞いたことがありません。
明け方、朝日を浴びて黄金色に輝くすずらんを表しているのでしょうか、それとも、金色の鈴に見立てているのでしょうかね。
職人さんが、作品の中に仕込んだ遊び心あふれる仕掛けに、いろいろな想像がふくらみます。
「寒桜(かんざくら)」錦玉・羊羹製
抹茶羊羹を台にして、その上に白い上南羹をのせ、さらにその上に桜花の塩漬けを入れた錦玉を重ねたお菓子です。
豪華に二輪も配された桜花が、水面に映る花の影のように見え、不思議な感覚を届けてくれる逸品ですね。
さて、無事にお菓子がキープできたので、ゆったり鎌倉散歩といきましょう。
日光の加減がよいので、まずは海を見に行きたいですね。
夏になると海水浴客でごった返す由比ガ浜も、今の時季は静かで、海の青さも引き立ちます。
由比ガ浜にしても、和田塚にしても、鎌倉時代には壮絶な戦いが繰り広げられた場所ですが、今では美味しい和菓子を買って、のんびり散策をするコースになっているとは、当時の人は思いもよらなかったでしょうね。
次に向かったのは、長谷寺です。
ここのご本尊の十一面観音菩薩は、高さ9m以上もある日本最大級の木彫仏として有名です。
境内のいたるところに、四季折々の花木が植えられているため、一年を通して花が絶えることがないことから「花の寺」とも呼ばれています。
また、山の斜面に築かれているため、そこからの眺望もすばらしく、鎌倉の街並みと、その向こうに広がる湘南の海を一望にできる展望台もはずせませんね。
次はいよいよ大仏で有名な高徳院です。
奈良の大仏は建物の中に収められていますが、鎌倉の大仏さんは野ざらしです。
青空を背景に堂々とした姿、雨にしっとり濡れる姿、雪をまとった姿、春の桜とともに、また秋の紅葉を背負いながらなど、天気によって、また、四季折々の風景とともにその尊い姿を拝めるのがいいですね。
この大仏さんの中は空洞になっているのをご存知ですか?有料で内部を見学することもできますよ。
さて、大仏さんに別れを告げ、最後に訪れたのは鎌倉文学館です。
川端康成、夏目漱石、芥川龍之介など、鎌倉にゆかりのある文学者の直筆原稿や手紙、愛用品などを収集展示している施設です。
この素敵な洋館は、旧前田侯爵家の別邸で、鎌倉市に寄贈されたものです。
芝生が美しい広大な庭園と美しいバラ園も魅力で、バラの季節にまた是非来たいですね。
今日は15,000歩以上も歩いたので、疲れた身体に美味しい和菓子が沁み入るように効きました(^^♪