「おとずれ」しぐれ製:豊島屋
しぐれ餡にゆかりをまぶし、梅風味の羊羹を巻き、雲平製の梅の花を添えたお菓子です。
雲平(うんぺい)とは、みじん粉や寒梅粉に砂糖を混ぜ、水分を少量加えてまとめた生地のことで、工芸菓子やお干菓子の材料の一種です。
桜よりもひと足先に春の訪れを知らせてくれる梅の花をダイナミックに描いた作品です。
何より目を引くのは、梅の幹に見立てたどっしりと存在感のあるしぐれ餡ですね。
白い生地に散らばるゆかりの模様は、風雪に耐え長い年月をかけて変色した古木の風合いそのものです。
梅の幹に、梅の花、さらに梅の味わいにと梅尽くしの贅沢な逸品です。
甘くフレッシュな梅の香や、木にやって来るうぐいすの清らかなさえずりまで聞こえてきそうなまさに五感を刺激されるお菓子ですね。