「福寿草(ふくじゅそう)」煉切製:村上
緑と白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み球状にまるめ、円周に沿って筋を刻みます。さらに、頂上に黄色い煉切製の花を添え福寿草を写したお菓子です。
中にたくさんの福をためこんだように、まん丸に膨らんだ葉っぱの表現が斬新ですね。
あるいは、葉ではなくつぼみかもしれません。つぼみから開花への過程を描いているようにも見えますね。
福寿草は、幸福と長寿の草というそのおめでたい名前から、とても人気のある植物です。
野生種は、普通2〜3月頃に花をつけますが、お正月に出回るものは、人工的に促成栽培されたものです。
花は光にとても敏感で、太陽が昇る朝に開き、日没とともに閉じます。 日中でも陽が翳るとたちまち花弁を縮め、再び日光が当たると開くといいますから、あの鮮やかな花色はまさに陽光そのもの。
残雪に反射した光を受けとめながら、花弁をいっぱいに広げて輝いている福寿草を見ると、何かいい事がありそうな期待感を抱かせてくれますね。