「寒牡丹(かんぼたん)」煉切製:高林堂
ピンクと白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技で牡丹の花びらをかたどります。さらに中央上部をへこませ、そこに花芯に見立てた黄色いそぼろを配したお菓子です。
高林堂(こうりんどう)さんは今回お初の和菓子屋さんですが、栃木県宇都宮市にある1885年(明治18年)創業の老舗です。
指の腹を使って一枚一枚花びらのひだを描いていく手作りならではの趣きを、いろいろな角度からじっくり味わいたいですね。
牡丹は本来、初夏の花ですが、春のうちに花芽を摘み取り、人為的に開花時期を遅らせ、人工的に真冬に咲かせたものを、寒牡丹といいます。
花の少ない時季に華やかな花を咲かせたい、華麗な花を雪景色と合わせてみたいという風流心から生まれた特別な花ですね。