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食べ納めの花びら餅

 

お正月の和菓子の代表「花びら餅」の販売期間は通常、年末から節分までの間なので、そろそろ食べ納めですね。 

 

今年もいろいろなお店の花びら餅をいただきましたが、最後の一品となったのは、横浜伊勢佐木町に店を構える 「みのや本店」 さんのものです。

 

「花びら餅(はなびらもち)」餅製:みのや本店 

外皮は白くやわらかい餅、中は紅色に染めた餅を菱形に切ったものを重ね、白みそと蜜煮のごぼうをはさんだお菓子です。八重桜の塩漬けが一輪添えられていて、さらに華やいだ雰囲気になっています。 

 

白い生地越しにうっすらと透けて見える菱餅の薄紅色は桜花からにじみ出たようにも見えますね。 

 

ちなみに、2年前には松葉が添えられていました。

 

 

桜の花の塩気がやさしい甘さをさらに引き出し、桜のほのかな香りとも相まって、口の中にじんわりと春が広がってくるようです。 

 

桜の花の塩漬けは「桜の花漬け」とも、「桜漬け」とも呼ばれます。

 

作り方は、がくを除いた花全体を梅酢と塩で漬け込みます。梅酢を使うのは、その酸が作用して花の濃いピンク色がより鮮やかに漬け上がるためだそうです。使う桜は、五分咲き程度の八重桜。 

 

この桜漬けの全国生産量の約7割を占めるのが神奈川県秦野市千村地区産のものです。 

 

この地区では、江戸時代末期より桜漬け用に八重桜が植えられ、今では2500本にも達し、千村の名物となっています。