「椿(つばき)」煉切製:三盛楼
真っ白な花びらをほんのり薄紅にぼかし、黄色い筒状のしべを配し、羊羹製の葉を添え、シンプルに椿を写したお菓子です。
木へんに春と書くように、椿は春を呼ぶ花です。
まだまだ寒さの残る野山や庭先に、灯りをともすように咲く椿は、春への道しるべのようですね。
椿は花だけでなく、葉もまた鑑賞の対象となっています。
そもそも「ツバキ」という名は葉の様子を表す「厚葉木(アツバキ)」や「艶葉木(ツヤバキ)」に由来するとの説があるように、その常緑の美しい葉も珍重されてきました。
そんな葉に敬意を表するように、このお菓子の葉っぱも丁寧に作られています。
椿の花言葉は「控えめな美しさ」「控えめなやさしさ」。
優しい色合いに、柔らかなフォルムで描かれたお菓子の椿は、まさにこの花言葉通りの慎しみ深い姿ですね。