「椿餅(つばきもち)」道明寺製:両口屋是清
黒砂糖風味に仕上げた道明寺で小豆つぶ餡を包みまるめ、二枚の椿の葉を上下に合わせたお菓子です。
上の葉っぱをそっとめくってみると、つややかで粒のそろった美味しそうな道明寺の登場です。
道明寺の繊細なつぶ感と、中のしっかりとした大粒の小豆餡の食感の違いが楽しめる逸品ですね。
桜餅や柏餅、ちまきなど、葉っぱで包む和菓子はたくさんありますが、葉っぱの美しさで言えば、椿餅が一番ではないでしょうか。
その緑色に若々しく輝く椿の葉からは、春の陽射しまで感じられるようです。
椿餅は、桜餅や柏餅よりも歴史は古く、日本最古の餅菓子のひとつで、和菓子の始まりともいわれています。
『源氏物語』や『宇津保物語』『藻塩草』などの古典文学の中にも「つばいもち」という名前で椿餅が登場します。
現在、椿餅には餅製と道明寺製のものとがあり、両口屋さんの昨年の椿餅はつやっつやの餅製でした。
「椿餅(つばきもち)」餅皮製:両口屋是清(2016年)
平安貴族たちが食べていた1000年以上前のお菓子を、現代の我々も味わえるというのは本当にワクワクしますよね!