富士遠望

「富士遠望(ふじえんぼう)」羊羹製:両口屋是清(2017年)

 

瑞祥あふれる新春の夜明けの富士を、いろいろな色に染めわけた羊羹を幾層にも重ねて描いたお菓子です。 


“霊峰富士”の名の通り、古くから信仰の対象であると同時に、絵画をはじめとした芸術の題材となり、文化も育んできた名峰をお菓子で見事に表現した逸品です。 


実は、両口屋是清さんは一昨年も全く同じ菓銘のお菓子を出していますが、今年のものとは、素材や意匠が全く異なります。 

 

「富士遠望(ふじえんぼう)」軽羹・蒸し羊羹製:両口屋是清(2015年)

 

色合いといい、精密さといい、今年の方がよりグレードアップしていますね。


新年には、その年一年の無事と発展を願って、なにかとおめでたい縁起物が好まれます。「松・竹・梅」をはじめとして、「鶴・亀」、「初日の出」、「福寿草」、「千両・万両」、「南天」など。 


そんな中、日本人にとって古くから敬意の対象であり、精神の源泉でもある富士山は最上級のめでたさではないでしょうか。 


そんな富士を写したお菓子とともに新年を迎えられた喜びを皆さんとともに分かち合いたいと思います。