年が明けて、はや9日目、今日も迎春の上生菓子をお届けする予定ですが、松の内の間はお正月のお菓子をできるだけ紹介したいと思っています。
ただ、この松の内(正月の松飾りを飾っておく期間)は、地方によってかなり違いがあるようですね。
もともとは元日から1月15日までの期間を指していましたが、近年、関東では七草がゆを食べる1月7日までとするところも多いようです。
関西では一般に1月15日までと言われていますし、少しでも多くのお菓子をご覧いただくために、上生菓子図鑑では15日までとさせていただきます。
さて、今日は、横須賀市衣笠にある「いづみや」さんの新春上生菓子を紹介します。
全部で17種類もあり、すべて並べると実に壮観ですよね。
この中のいくつかは既に紹介済ですので、それを除いて、未発表のものを一挙に公開したいと思います。
「万両(まんりょう)」煉切製:いづみや
千両や南天などと同様にお正月の縁起物として飾られる万両を生き生きと描いたお菓子です。中は抹茶餡。
「寒菊(かんぎく)」煉切製:いづみや
お正月を飾り立てる寄植えなどによく用いられる寒菊を写したお菓子です。ヘラを使って花びらを一枚一枚丁寧に刻んでいます。
「初詣(はつもうで)」煉切製:いづみや
金粉と紅梅で華やかに彩られた振袖を写したお菓子です。中は甘酸っぱい梅餡。
「福寿草(ふくじゅそう)」きんとん製:いづみや
元日草(がんじつそう) 、朔日草(ついたちそう)の別名もある通り、福寿草は新年正月を祝うのにふさわしい花ですね。金箔を散らして黄金色の花に見立てています。
「山茶花(さざんか)」煉切製:いづみや
椿と違い花ごと落ちることがないので、こちらの方がお正月向きですね。モダンアートのような独特の造形が美しいお菓子です。
「鶴(つる)」求肥製:いづみや
フワッとした食感の求肥生地で白こし餡を包み、焼印でくちばしと羽を、黒胡麻で目、紅羊羹で鶏冠を再現しています。
「亀(かめ)」煉切製:いづみや
吉祥のひとつである蓑亀(みのがめ)を木型で抜いたお菓子です。蓑亀とは、長生きのあまり、甲羅に緑藻が着生して、それがのびて蓑のようになったものです。
「寒椿(かんつばき)」求肥製:いづみや
全体にまぶされた氷餅がキラキラ反射して真珠のように美しいお菓子に仕上がっていますね。中は白こし餡です。
「寒椿(かんつばき)」求肥製:いづみや
冬の寒さの中でも凛と咲く寒椿の姿を見事に写していますね。おめでたく、紅白二色が用意されています。
「羽子板(はごいた)」煉切製:いづみや
羽根つきで用いる羽根をあしらったお菓子です。羽根の錘(おもり)の部分にあたる玉は通常、「 無患子(むくろじ)」という木の黒い種が使われていますが、このお菓子では赤玉になっているのが独特です。
「冬薔薇(ふゆばら)」煉切製:いづみや
冬薔薇の透徹した美しさも清々しい新年にぴったりです。手技でかたどった花びらの重なりが味わい深いですね。
大みそかから元日にかけ、家族四人、各自毎食後に1個ずつノルマとして、「薬の服用みたい〜」と言いながら、一日半で17個完食しました!
生菓子は新鮮なうちに食べきるに限りますからね(^^♪