山種美術館に併設された「カフェ椿」で提供されているオリジナル和菓子を紹介するシリーズです。
今日のお菓子のモチーフとなった作品は、明治から昭和初期に活躍した日本画家、冨田溪仙(とみたけいせん)の《嵐山の春》です。
冨田溪仙≪嵐山の春≫1919(大正8)年頃
(出典:http://bunka.nii.ac.jp/heritages/heritagebig/293529/0/1)
嵐山は冨田溪仙が晩年を過ごした地で、彼がこよなく愛した桜を6曲1双の屏風絵に描いています。
状態があまりよくなく、2012年に修復を終えて15年ぶりに公開された作品です。
「春の川」きんとん製:菊家
薄紅・緑・水色の三色に染め分けたそぼろを大島餡のまわりに植え付けます。さらに、川を下る筏(いかだ)に見立てた桃山製の小片を添え、桜咲く京都嵐山の景色を写したお菓子です。
やわらかい描線が特徴の溪仙の作風が、やさしい色合いのきんとんで見事に表現されていますね。
嵐山にある車折神社には溪仙によって奉納されたと伝えられる溪仙桜があります。
車折神社の溪仙桜
(出典:http://tetsuwanco.exblog.jp/24298061/)