「夏衣(なつごろも)」吉野羹製:文銭堂本舗
水色にぼかし染めた吉野羹をすだれ状にして、小豆こし餡入りの求肥饅頭を巻き、羊羹製の青楓をあしらったお菓子です。
吉野羹とは本葛を使用した羊羹のことで、葛独特の風味と舌触りが楽しめる素材です。吉野の名は、奈良県の吉野地方が良質な葛の産地であることに由来します。
夏の暑さの中、見る人に涼しさを感じてもらえるような薄物の衣の風合いを見事に写しています。
夏衣とは、夏に着る衣服の総称で、木綿、絹、麻などで、軽く涼しく織ったものを用います。
特に、夏向きの和服には、透けた織りで涼味を感じさせる絽(ろ)や紗(しゃ)、織りを練って皺寄せをして肌触りを涼しくした縮布(ちぢみふ)などがあります。
涼やかな青楓柄の絽の着物をきりりと着こなした美しい女性の姿をイメージするお菓子ですね。
強まる陽射しの中で、一服の清涼剤となる、そんな逸品です。
(出典:http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b214598891)