「水無月(みなづき)」外郎製:花ごろも
白い外郎生地の上に、甘煮の小豆をのせ、包丁で三角形に切ったお菓子です。
このような水無月のお菓子は、一見どのお店も同じように見えますが、よく見比べてみると、それぞれのお店の個性が見えてきます。
まずは、上にのせられた小豆の量に注目してみましょう。
私は豆好きなので、多いほど嬉しいのですが、あまり多すぎないほうが美しくおいしいという方もいます。
「水無月(みなづき)」外郎製:日影茶屋
ところどころ隙間があり生地が見えるくらいの密度です。
「水無月(みなづき)」外郎製:鶴屋吉信
日影茶屋さんより少し多めです。
「みなづき」外郎製:仙太郎
全体的に均等に敷き詰められています。
「水無月(みなづき)」外郎製:叶匠壽庵
一部では盛り上がるほど多量の小豆がのせられています。
生地の厚みも、かなり厚めのものから、薄いものまでいろいろあります。
「水無月(みなづき)」外郎製:三鈴
かなり厚めの方です。
「水無月(みなづき)」外郎製:村上
標準的な厚さ。
「水無月(みなづき)」外郎製:千草庵
かなり薄めです。
生地は外郎製のものが一般的ですが、さらなる美味しさを追求して、蕨粉や葛を使っているお店もあります。
「水無月(みなづき)」蕨粉製:大倉山青柳
「水無月(みなづき)」蕨粉入り外郎製:みのや本店
「水無月(みなづき)」吉野葛入り外郎製:いいだばし萬年堂
また、豆も小豆以外にうぐいす豆を添えているものもあります。
「水無月(みなづき)」外郎製:金米堂本店
うぐいす豆がよいアクセントになっていますね。
氷を模しているということは、白く作るべきものですが、黒砂糖入りの黒い生地もあります。
「水無月・黒糖(みなづき・こくとう)」外郎製:村上
「水無月(みなづき)」吉野葛入り外郎製:いいだばし萬年堂
「水無月(みなづき)」外郎製:とらや
また、抹茶入りの緑色の生地もあります。
「水無月(みなづき)」外郎製:仙太郎
四角いまま販売して、各自で三角形に切る楽しみを残してくれているものもあります。
「水無月(みなづき)」外郎製:たねや
対角線上に二等分して大きめの三角にするか、四等分して小さめの三角にしてもよし。
私は小さめの三角に切りました。
桜の青葉を添え、見た目爽やかで、また、食べるときにも生地が指にくっつかない工夫をしたものもあります。
「水無月(みなづき)」蕨粉製:一炉庵
いずれにせよ、もちもちとした弾力ある生地と、香り豊かな小豆がくせになる、毎年心待ちにする大好きなお菓子ですね。