「水無月(みなづき)」外郎製:とらや
白下糖をまぜて作った外郎生地の上に甘煮の小豆をのせ、三角形に切ったお菓子です。
今日、6月30日は、「夏越の祓(なごしのはらえ)」の日です。各地の神社では、無病息災を祈願しながら大きな茅の輪をくぐる神事が行われます。
小豆の赤い色が邪気を祓うとされ、京都を中心に、夏越の祓にあわせて、この「水無月」というお菓子を食べる習慣があります。
普通「水無月」のお菓子は白い外郎生地ですが、とらやは白以外に黒(お店の人は赤と言っていましたが)のものがあります。
これは、「白下糖(しろしたとう)」を使った外郎で、白下糖とは、和三盆になる手前の、より原料に近い糖のことです。
この白下糖を盆の上で水分を加えて練り上げ、「研ぎ」という作業を3回以上繰り返したものが、「和三盆」という最高級の砂糖になります。
「白下糖」とは、「白くなる前の糖」という意味で、見た目は黒糖と同じ色をしています。だから、外郎の色が黒く染まっているのです。
白下糖は、沖縄産の黒糖に比べると、甘味は控えめで、とても上品な味わいです。ほんのりとみやびな甘さが広がり、いつまでもその優しい香りが口の中に残ります。
こういう繊細な味覚に触れると、つくづく日本人に生まれて良かったと思いますね。
白下糖
(出典:https://winedine.exblog.jp/)