「手鞠花(てまりばな)」薯蕷製:鶴屋吉信
真っ白な薯蕷饅頭をキャンバスに見立て、緑、青、紫の三色の色を付け、煉切製の四弁花を添えています。
手鞠花は、紫陽花の咲く様子が手鞠のように丸く見えることに由来する、紫陽花の別名です。
緑色は紫陽花の葉っぱを表しているのでしょうか?
あるいは新緑の山々の色でしょうか?
青は雨の色?それとも梅雨の中休みに見られる貴重な青空?
紫は紫陽花として問題ないでしょう。
または、がらりと解釈を変えて、この三色は、緑→青→紫と、刻々と色を変化させる紫陽花の花色とも考えられます。
いずれにしても、いろいろ想像をめぐらせながら美味しい上生菓子をいただく時間は、至福のひと時ですよね。
大和芋の香り豊かな薯蕷生地は、柔らかさの中にも、もちっとする感触があって、シンプルですが、奥行きのある味を楽しめました。