「紅花(べにばな)」淡雪製:菊家
淡雪羹にて小豆つぶ餡を包み、橙色に染めた錦玉羹を加え茶巾絞り仕立てにし、紅花を写したお菓子です。
かつて日本には、春夏秋冬を二十四の節気に分け、さらに七十二の季節に分けて『候(こう)』と呼び、その候ごとに見せる花や鳥、草木や自然にまなざしを向け、季節に寄り添って暮らしていた時代がありました。
その七十二候のひとつに「紅花栄(べにばなさかう)」があり、ちょうど今頃、太陽暦でいうと5月26日〜30日頃にあたります。
その名前の通り、 紅花が鮮やかな花を咲かせる頃を表した候です。
紅花は丸い刷毛の形をした黄金色の花で、古名を「末摘花(すえつみばな)」、「紅藍(べにあい)」、「久礼奈為(くれない)」、「呉藍(くれのあい)」などと優雅に呼ばれます。
日本には飛鳥時代に渡来し、古くから親しまれ、『万葉集』や『古今和歌集』で詠まれ、『源氏物語』にもに登場します。
この花を発酵、乾燥させたものが染料や着色料の材料として用いられ、その他、生薬や口紅、食物油などにも利用されます。
日本で一番生産量が多いのが山形県で、山形の県花にもなっています。