「黒牡丹(くろぼたん)」煉切製:文銭堂本舗
黒胡麻の煉切で黄味餡を包み、釣鐘型に仕上げ、最上部に金箔を散らしています。
まるで黒光りする弾丸のようなお菓子。この漆黒の上生菓子をはじめて見たときはびっくりしました。色とりどりの華やかな上生の中で、ひときわ異彩を放つこの個性的な姿にくぎ付けになってしまいました。
文銭堂本舗は新橋にある昭和21年創業の和菓子店。特に力を入れているのは「上生菓子、羊羹、最中」の三点というだけあって、ここの上生菓子はレベルが高いです。
毎月季節ごとに変わる上生菓子と通年の上生菓子があり、この「黒牡丹」は常時販売されている人気の逸品です。
このお菓子は、今の二代目主人が26〜27年前に考案したそうで、この形は、日本庭園で見かけた椅子の形をヒントにしたといいます。油が分離しやすい胡麻を煉切に使うのは、技術がいるそうです。
とにかく、黒胡麻の風味がねっとり濃厚で、中の黄味餡との相性が抜群にいい。
この店は黄味餡が特に美味しいですね!
紫黒色の牡丹の花のつぼみをあらわしているように見えます。