「黒ぼたん(くろぼたん)」羊羹製:秋色庵大坂家
黒糖のきいた半錦玉羹を茶巾絞り仕立てにしたお菓子です。中に大納言小豆の含め煮を忍ばせています。
半錦玉羹(はんきんぎょくかん)とは、寒天に砂糖、水、水あめ、若干の白あんを加え煉ったもので、簡潔に言うと、やわらかめの羊羹のことです。
今回のお菓子には、砂糖の代わりに、黒糖が使われているので、独特な濃褐色に染まっていて、黒牡丹の深い色合いを見事に表していますね。
ふくよかな甘みの中に、ほろ苦さもあり、それでいて雑味のない、黒糖ならではの濃厚な風味に感銘を受けました。
黒牡丹とは、紫黒色の牡丹の 花のことで、花の王様といわれる牡丹の中でも極めて数少ない貴重な種類です。
そんな珍しい牡丹を写したお菓子ですから、なおさらじっくりと、ゆっくり丁寧に味わいたいものですね。