「水牡丹(みずぼたん)」薯蕷羹製:田園調布あけぼの(2014年)
小豆こし餡を求肥で包みまるめ、しべに見立てた黄色いそぼろをのせます。透けるくらいに薄く作った薯蕷羹を花びらに見立て、求肥餅のまわりに、少しずつ重ねながら張り合わせ、緑色の羊羹製の葉を添えたお菓子です。
薯蕷羹とは、 蒸して裏ごしした山芋(やまのいも)に砂糖を加えて熱しながら練り、 寒天を加えて固めたものです。
夏になると、水まんじゅう、水大福、水ういろう、水楓、水蛍など、頭に「水」がついた、いかにも涼しげな名前の和菓子が続々と登場しますね。
そのほとんどは葛や錦玉などの透明感のある素材を使って作られたお菓子です。
水シリーズでこの時期人気なのが、「水牡丹」です。本来、牡丹は4〜5月の花ですが、その見事な美しさを涼やかに夏向きに表現したものが、このお菓子です。
見た目を楽しみながら、ひんやりとした夏の涼菓を味わう優雅なお茶席にピッタリのお菓子ですね。
同じお店の、今年の水牡丹はこちらです。
「水牡丹(みずぼたん)」薯蕷羹製:田園調布あけぼの(2015年)
同じお店、同じ菓銘のお菓子でも、毎年微妙に意匠を変化させて出てくるのが楽しいですね。