「牡丹(ぼたん)」雪平・羊羹製:文銭堂本舗
白こし餡を雪平(せっぺい)で包みまるめ、その周りを、薄紅色に染めた吉野羹で包みます。さらに、しべに見立てた鶏卵素麺(けいらんそうめん)を上にのせ、つや出し錦玉でコーティングしたお菓子です。
雪平とは、求肥に卵白と白餡を加えたもので、求肥よりも白く、マシュマロのようにふわふわに仕上がるため、主に上生菓子に使われる素材です。
吉野羹は、葛を使用した羊羹のことで、葛の代表的な産地である奈良県吉野地方の吉野をとり、吉野羹といわれています。霞のような風合いを出すとともに、葛ならではの風味と舌触りを楽しむことができます。
しべの部分は、てっきりそぼろだと思っていたら、実は鶏卵素麺でできていました。
鶏卵素麺とは、沸騰させた糖蜜の中に、卵の黄身を糸のように流し込んで作ったもので、安土桃山時代に、ポルトガルから伝来したお菓子の製法です。とても甘いですが、少しサクサク感があって、口の中でぱらっと溶ける食感が独特な素材です。
こだわりの素材で創り上げた、涼しげな初夏の牡丹をお楽しみください!