「王朝花傘(おうちょうはながさ)」こなし製:鶴屋吉信
鮮やかな紅色に染めたこなしで白餡を包み山形にまるめ、ヘラで放射線状に溝を刻みます。さらに、中心部に薄紅色と白に染め分けたそぼろを添え、葵祭の女官行列で見られる風流傘を写しています。
若葉が芽吹き、新緑がまぶしい初夏の京都の町で、毎年5月15日に執り行われるのが葵祭(あおいまつり)です。
平安絵巻を思い起こさせる風流なお祭りで、京都最古のお祭りであり、京都三大祭りの1つにも数えられています。
平安朝の衣裳で着飾った優美な古典行列がそぞろ歩く様子は、まるで平安時代のファッションショーのようですね。
風流傘とは、大傘の上に牡丹や杜若など季節の花(造花)を飾り付けたもので、ほかの祭りでも見られる道具ですが、葵祭の風流傘は随一の美しさを誇るといわれています。
葵祭りの行列