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柏餅(鶴屋吉信)

「柏餅(かしわもち)」道明寺製:鶴屋吉信 

ふつう柏餅と言えば、新粉餅を円形扁平につくって二つ折りにし、中に餡を入れて柏の葉で包んだものですが、鶴屋吉信さんのは珍しく道明寺製です。 

 

葉っぱを桜葉の塩漬けに変えればそのまま桜餅になるような楽しい柏餅ですね。 

 

 

新粉餅のつるりとした生地と比べると、米のつぶつぶが見える道明寺はどこかはんなりとした上方の趣が漂います。

 

柏は秋の枯れ葉が、春の新芽を見届けてからでないと落葉しないことから、親が子の成長を見守り家系が途切れないことを意味し、子孫繁栄に通じる縁起の良い木であるとされています。 

 

まさに端午の節句にふさわしいお菓子ですね。 

 

小豆こし餡やつぶ餡以外に、味噌餡のものなどありますが、餡の種類を区別するために、餅生地に色をつけたり、葉を表と裏で包み分けたりします。

 

 

鶴屋吉信さんでは葉に熱を加えない青々とした方がつぶ餡、熱を加えて茶色っぽくなった方がこし餡と区別しています。

 

 

道明寺粉のつぶつぶ感と、つぶ餡のつぶつぶ感がダブルで楽しめる道明寺製つぶ餡の柏餅が、私としては一押しですね。