「岩根つつじ(いわねつつじ)」鹿の子製:一炉庵
虎豆(とらまめ)鹿の子の各豆の上に淡雪羹をちょんちょんとのせ、紅色のそぼろを添え、岩の根元に冴え冴えと咲くつつじを写したお菓子です。
虎豆とはインゲンマメの一種で、独特な模様が特徴です。 白地を基本としながら、へその周囲に濃黄褐色と淡黄褐色の斑紋が入っていて、この模様の入り具合が虎柄に似ていることから、虎豆と呼ばれています。 煮上がりの美しさ、味の良さで「豆の王様」ともいわれる高級素材です。
このお菓子は、虎豆の連なりで岩を表現し、白い淡雪は晩春の陽光に照らされて岩肌が輝いているようです。
目の細かい紅色のそぼろをあえて控えめに添え、崖の岩陰にはりつきながら健気に咲くつつじを写しているように見えます。