「都わすれ(みやこわすれ)」煉切製:シベリア本舗
紫色と白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、手技でミヤコワスレの花をかたどったお菓子です。
ミヤコワスレとは、山野に自生するミヤマヨメナの日本産園芸品種です。
開花期は4〜6月頃で、花は派手さはありませんが、菊に似た清楚な美しい花を咲かせます。
花色は薄紫や青紫、白、ピンクなど多種に渡り、別名野春菊(ノシュンギク)、東菊(アズマギク)とも呼ばれます。
ミヤコワスレ(都忘れ)という名前の由来は、討幕をかかげ、承久の乱(鎌倉時代)で敗北し、佐渡に配流された順徳上皇が詠んだ歌に因みます。
いかにして契りおきけむ白菊を都忘れと名づくるも憂し
<現代語訳>
(父が好んだ)白菊を「都忘れ」と名付けるとは、どのようなめぐり合わせかわからぬが、辛いことだ。
順徳上皇は都を思っては涙にくれる毎日、庭の片隅に咲いた一輪の花をみつけ、父(後鳥羽上皇)が愛していた白菊に心をよせ、「都忘れ」と名付け、愛しみ、如何なるめぐり合わせかと溜息して憂いたと伝えられています。
上皇は島に21年も暮らし、失意のすえに絶食して46才の若さで崩御したそうです。
(出典:http://hisaoymz.at.webry.info/201306/article_2.html)