「花水木(はなみずき)」月餅製:鶴屋八幡
白い月餅生地を正方形にうすくのばし、四つの角を折るようにして青餡を包み、合わせ目の部分に焼き目を付け、花水木の花を写したお菓子です。
月餅製とは、鶴屋八幡さん特有の製法名で、 いわゆる中国菓子の月餅とは全く別ものです。 これは、求肥に似たもので、求肥は餅粉を使うのに対し、月餅は米粉を使うということで名称を区別しているそうです。
花水木は、1912年に当時の東京市長であった尾崎行雄氏がアメリカのワシントン市へ桜を寄贈した御礼として、1915年にアメリカから贈られたのが最初で、その後、全国に普及しました。
花水木は花びらが4枚あるように見えますが、正しくは花びらではなく総苞で、中心のシベのように見える部分が本当の花です。
つぼみから総苞片が広がる時に、4片の先端がくっついたまま包みかけの風呂敷のように見える時期があり、その隙間から中の緑色の花序が顔をのぞかせている姿はユニークで、この状態をお菓子で表現したものです。
ほころびかけた花水木