「うず潮(うずしお)」煉切製:菊家
白波を立てながら豪快に渦巻くうず潮を、爽やかな色合いの煉切で表現した逸品で、中は小豆こし餡です。
奥村土牛の最高傑作の一点であり、また、近代日本画のなかでも、傑作の一つに数えられる《鳴門》という作品をモチーフに創作されたお菓子です。
この絵は土牛夫人の実家がある徳島に行った際に見た鳴門(なると)のうず潮を描いた作品です。
渦にもまれ、揺れに揺れる遊覧船に乗りこみ、後ろから夫人に帯をつかんでもらい、身体をしっかり固定しながら何十枚もスケッチしたそうです。
うず潮が交錯しながら流れていく際に発する、雷鳴のようなすさまじい轟音まで聞こえてきそうな、臨場感あふれる作品ですね。
奥村土牛《鳴門》
(出典:http://www.yamatane-museum.jp/collection/collection.html)