「春暁(しゅんぎょう)」羊羹製:成城風月堂
白こし餡を芯にして、その周りに紫色と白に染め分けた帯状の上南羊羹をらせん状に巻きつけ、桜花を添え、金箔を散らしたお菓子です。
春暁とは、春の明け方のことです。暁は、夜が明けかけているが、まだ暗くて物が良く見えない時間帯で、明るくなると、曙(あけぼの)になります。
さて、「春暁」といってまず思い浮かべるのは、「春眠暁を覚えず」の一節で有名な中国の詩人、孟浩然(もうこうねん)の漢詩ではないでしょうか。
春暁
春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少
【現代語訳】
春の夜の眠りは心地よく、朝が来たのにも気づかなかった。あちらでもこちらでも鳥が啼くのが聞こえる。昨夜は一晩中、雨まじりの風が吹いていたが、花はどれくらい散ってしまっただろうか。
(漢詩出典:http://kanshi.roudokus.com/syungyou.html)
ここで言う「花」とは桜ではありませんが、日本においては、今の時季だと桜に置き換えて鑑賞したいところですね。