「花衣(はなごろも)」煉切製:東宮
ピンクと白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、180度向きを変えたふたひらの桜の花びらを立体的に組み合わせた意匠のお菓子です。
昨日は大荒れの天気で、まさに「花嵐」でしたね。
ひらりひらりと舞い散る桜は風情が有りますが、強風で吹き飛ばされてしまうのは寂しいものがあります。
この時季は「花冷え」「花曇」「桜雨」「花の雨」「花荒れ」など、昔の人々は桜を通して天候を感じていました。
また、「花便り」を心待ちにし、「初桜」との出会いを喜び、「花衣」で着飾り「花見」に興じ、「夜桜」を愛で、散りゆく桜は「花吹雪」「桜颪(さくらおろし)」「飛花(ひか)」と名残惜しみ、地面に散り敷かれた「花筵(はなむしろ)」を眺め、水面に落ちて流れていく桜を「花筏(はないかだ)」と呼び、咲き始めから散りゆくまで、さまざまな場面で桜を楽しみ尽くします。
桜にまつわるこれらの美しい言葉はそのまま菓銘としても用いられ、特に「花衣」は人気の主題ですね。