「秋色さくら餅(しゅうしきさくらもち)」焼皮製:秋色庵大坂家
ピンク色に染めた焼き皮でこしあんを包み、二枚の桜葉で包んだお菓子です。
桜餅は塩漬けの桜葉を使った和菓子ですが、関東と関西で素材や形が異なります。
関東風=長命寺(ちょうめいじ) :小麦粉などの生地を焼いた薄い皮で餡を巻いたクレープ状のお餅。
関西風=道明寺(どうみょうじ) :道明寺粉(もち米を蒸して乾燥させ粗挽きしたもの)で皮を作り餡を包んだ、まんじゅう状のお餅。
大坂家さんは店名は「大坂(大阪)」ですが、桜餅は関東風です。
関東風の桜餅の多くは生地を筒状にして餡を巻き包んだものが多いですが、大坂家さんのものはきれいに折りたたまれています。
特徴的なこの形は桜のつぼみを模しているそうです。
「秋色」は店名にもなっていますが、初代の娘さんが有名な俳人で、その俳号である秋色女(しゅうしきじょ)および菊后亭秋色(きくごていしゅうしき)に由来しています。
井戸端の 桜あぶなし 酒の酔 (秋色女が13歳の時に詠んだ句)
桜餅は、早いところでは立春を過ぎると早々と売り出されていますが、店頭に並んだ桜餅を見ると、否が応でも開花の期待感が高まっていきますね。