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椿餅(いいだばし萬年堂)

「つばき餅(つばきもち)」道明寺製:いいだばし萬年堂 

餡を道明寺で包み俵のかたちに丸め、光沢の美しい椿の葉二枚ではさんでいます。 

自然の葉っぱをそのまま使った、瑞々しいお菓子です。桜餅に似ていますが、桜の葉とは違い、ほとんど香りがなく、葉も食べられません。 


この「椿餅」の歴史は古く、あの『源氏物語』の中にも登場します。 

「若菜上」という帖に、若い人々が蹴鞠のあと、梨・柑橘類や椿餅などを食べる場面があります。 

すでに平安時代にあったとは驚きですね。 
桜餅や柏餅よりも歴史は古く、日本最古の餅菓子ともいわれています。 


この椿餅、当時使っていた材料は現代のものとは少し違っていたそうです。 

平安時代には甘い小豆餡や砂糖などはまだなく、甘味は生地に甘葛 (あまづら:つたの茎から採取した汁を煮詰めたもの) をいれる程度だったと考えられています。 


なにわともあれ、平安貴族たちが食べていたものを、現代の我々も賞味できるというのは本当に素晴らしいことです。 

代々守り継がれてきたこの和菓子の伝統を、今後も大切に受け継いでいかなければならないと改めて感じました。